3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは? 物流改革となった3PLの効果をご紹介
コストの削減と品質の向上が見込める3PLですが、具体的にどんなものなのでしょうか。
2019年07月30日
2024年10月11日
そもそもロジスティクスとは、物流を統合・一元化して効率よく管理していくことを指します。
前回の記事「人手不足の行く末は?深刻化する物流の未来!」でも述べましたが、物流業界の人手不足は年々深刻化しています。
この問題を解決に導く「スマートロジスティクス」は、ロジスティクスのなかでも「最新技術を利用して物流の効率化・最適化を目指す」取り組みをいいます。
スマートロジスティクスはAI(人工知能)とloT(モノのインターネット)によってもたらされます。
まず必要なのは自動化。例えば自動で荷物を運ぶトラックや、自動でものを人に届けるロボットなのです。
こうした自動システムが広がるほど、人的コストを減らすことができます。さらに配送状況の管理なども楽になります。
配送状況の管理だけでなく、たとえば商品ごとに管理方法を最適化したり、配送方法を最適化したり。こうしたシステムの高度化も欠かせません。
SLCとはスマートロジスティクスコンフィギュレータのこと。
調達→製造→配送→販売の一連の流れを最適なかたちでプランニングするシステムです。
これにより、最も効率のいい物流の仕組みがわかります。なんと、倉庫の構造や配置まで計算してくれます。
loTとは「Internet of Things」の略です。身の回りのものほとんどがインターネットにつながってきつつある今、この言葉を聞いても逆にピンとこないかもしれませんね。要するに、スマホやPC以外のモノもインターネットにつなぐことで便利になったり効率化できたりする取り組みのことです。
たとえば今までは好きな芸能人のテレビ番組を漏らさず見たいとき、テレビ欄で必死にその芸能人の名前を探して自分で録画予約しなければなりませんでした。しかし今では、テレビの機能で自動的にその芸能人の番組を検索し、そのまま録画予約してくれるものがあります。これもloTの一つです。
そしてloTと密接に関わってくるのがAIの存在です。AIの研究が進めば進むほど、loTも進化し、より優れた未来がやってきます。これらがビジネスにおいて与える影響の例の一部を以下にあげました。
・作業を時短できる
・計算やシミュレーションが正確になる
・AIが人に代わることにより過労が減る
・人件費が減ってコスト削減できる
これを読んだだけでもどれだけ便利か明確ではないでしょうか。しかもこれはloTが与える影響のほんの一部です。
わたしたちの日常にいつの間にか馴染んできているAIやloTですが、どれだけ便利かどうかは想像していただけたと思います。
さて、これらが物流の世界ではどんなことを可能にするのでしょうか。
例えば荷物のピッキングに関して、人間が行うとどうしても人によって生産性に差が出てしまいます。素早くきれいに工程を終えられる人と、素早いけど作業が雑な人、遅いけどきれいに作業できる人、遅くてさらに作業が雑な人…というように人によって結果は異なるからです。
こうした場合には、AIが素早くきれいに工程を終えられる人の作業モデルを学習すると、ロボットが同等の作業を行うことができます。結果的に一定時間でピッキングできる量が大幅に上がります。さらに人件費も削減できます。
また、作業をまるごとロボットに任せるのではなく、ウェアラブル端末に商品ごとに適したピッキング作業を表示する機械も開発されています。ロボットには行えない複雑な作業の場合には、どの作業を行うかの判断だけAIに任せ、そこから先を人間が担うというわけです。こうしてAIと人間は作業を分担し効率化することができます。
ウェアラブル端末で読み込むのはモノだけではありません。物流に必要不可欠なドライバーの体調を読み込んで分析し体調の変化を管理する、そんな便利なウェアラブル端末も昨今では利用されています。
今まではドライバーの自己申告により健康管理をしている会社がほとんどでしたが、これによってより正確なデータをシステマチックに管理できます。事故や品質低下を防ぐことができます。
新人のドライバーが沢山の荷物をどんなルートで走ればスムーズに無駄なく届けられるか考えられるようになるには、実はかなりの時間がかかるといいます。これではせっかくドライバーを雇うことができても、その力を最大限に活かすことができません。
長年プロとして熟練された配車プランナーのノウハウを独自アルゴリズムに落とし込めば、AIによって最適な配車ルートをすぐに作成することができるようになります。
今回紹介したのは物流の未来予想図のほんの一部です。物流を変えようという動きは国をあげて行われており、もう止まることはありません。
AIが人の仕事を担っていくことに悲観的な意見を持つ人もいますが、より豊かな暮らしのための必要不可欠な進化だといえるでしょう。