3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは? 物流改革となった3PLの効果をご紹介
コストの削減と品質の向上が見込める3PLですが、具体的にどんなものなのでしょうか。
2018年05月29日
前回お話したように、ダイレクトメールには長い長い歴史があります。
長い年数のなかで、さまざまなデザインや特徴を持つDMが生まれました。
DMは時代と共に変化し、工夫の幅が拡大しています。
発送者それぞれが業界・商品に合わせて特徴や趣向を凝らし、傾向と対策を繰り返しています。
そんなPDCAの中で効果や結果を着実に出してきたメディア広告ツールが、みなさんにとっても身近にあるDMなんです。
さまざまな進化をしてきたDMはマーケティングにおいて非常に優れた方法として知られるようになりました。
しかし同時にその過程で、DMが効果的な業界とそうでない業界があることが明確になってきました。
効果を出しやすい業界の一つは、商品が高単価な業界です。
例えば高級な化粧品など。高い商品は購入までに悩むことが多いため、とにかく商品との接触回数を増やすことと、クーポン券などの割引が非常に有効になります。
昨今ではなんでもまずWebで調べる人が多いですが、高単価な商品に関しては紙媒体で情報を得るほうが安心するという日本人は未だに多いです。
もう一つは、美容院など店に足を運ぶ必要があるものです。
家から近いほど役に立つものだと特に効果が出ます。
歯医者や動物病院などもここに含まれます。
実際にお客様が足を運んで長い付き合いをするような業種だと、Webだけの情報よりもリアルな情報をもとめるからです。
一方、DMで効果が出にくいのは商品の粗利が低い業界です。
単純に一つの商品に対してかけられる広告費が少ないため、DMが単なるコストにしかならない場合があります。
また、高単価な商品のなかでも「お試し」ができないものだと効果は薄くなります。
例えばラグジュアリーブランドの衣類などは、いくらいいものだといわれてもDMが来たから突然購入しようとは思わないでしょう。
しかし無料で参加できる展示会への参加チケットなどをDMにつけることで、DMの効果は格段に上がります。
一般的にDMは、新規顧客に向けたものと、リピーター顧客に向けたものの2種類に分けることができます。
新規顧客に向けた場合はどうやって発送先を決定するのかが重要になります。
半径数メートル以内にある家すべてに発送するのか、それとも事前にアンケートなどで購入してくれそうな顧客情報を得るのか。
新規顧客に向けたDMで昨今効果を大きく伸ばしているのが、潜在顧客に向けてDMを発送する方法です。
たとえば小田急電鉄グループのゴルフ場を例にあげます。
小田急カード会員のなかでも、購買データからゴルフに興味のありそうな顧客を抜粋してDMを送ったところ、反応が急増したという事例がありました。
ゴルフに興味のありそうな顧客というのは、どんなものを買っている人でしょうか。
ゴルフは接待で行くことが多く、高所得者が好む傾向があります。
明確に何を買っていた顧客に発送をしたかは公開されていませんが、おそらく紳士服の購入がある顧客やお中元・お歳暮を購入している顧客にゴルフ場のDMを発送したのでしょう。
こうして潜在顧客を分析すると、購入見込みが高い新規顧客に自社商品を売り込むことができます。
こうしたマーケティング手法が今、DMでは人気です。
ここからは業種別におすすめのDMデザインや特徴をご紹介します。
学習塾の顧客になるのは親・子の両方です。
透明な封筒を利用して、どちらに宛てたDMなのかわかりやすくするといいでしょう。
特に子ども側が興味をもつようなデザインが有効です。
入塾する際、親から勧めた場合よりも子どもが希望した場合のほうが入塾率・継続率ともに上がるといわれています。
入塾料が割引になるクーポンはもちろん、今の学力を簡単にチェックできるテストのようなものをDMに封入するのも人気の手法です。
実際に顧客に行動させることにより、入塾への意思が強まります。
ブライダル商品は一生に一度しか利用しないものがほとんどで、さらに高額なためDMでは高い効果が出にくいといわれています。
そのため新規顧客ではなくリピーター顧客に対する手法が話題。
ブライダル会社が得られる顧客情報で最も価値があるといわれているのは、結婚記念日と恋人の誕生日。
この2つの日は離婚しない限り毎年訪れ、顧客はその度に贈り物をするため買い物が必要になるからです。
記念日が近くなった頃にギフトカタログとクーポン券やメッセージカードを封入したDMを送れば高い効果が見込めます。
ホテルもブライダルと同様、記念日や家族構成などプライベートな顧客情報を得ることができます。
旅行を「長期休暇になると必ず行わなければならないイベント」だと捉えている家庭も多いため、DMはリピーター顧客にかなり有効的です。
無料で部屋をグレードアップする特典をつけるなど再訪したくなる工夫をしましょう。
客室のアンケートの回答率は案外高い傾向にあるので、アンケートの設置をしていない場合はまずそこから用意し、DMの発送に活かすのがおすすめです。
ペットは年々成長をし、年齢や健康状態によって購入する商品が変わってきます。
その変わり目をうまく察知してDMを送るのが、ペット商材で高い効果を出すコツです。
3歳・7歳など食べるフードが変わる年齢のときにフードに関するDMを送ったり、年齢に合わせたおもちゃやリードなどのカタログを送ったり、さまざまな工夫ができます。
高齢になるタイミングでは、サークルやキャリーケース、介護パッド、おむつなどの犬用介護用品のチラシが効果あり。
特にこうしたグッズはペットショップで相談しながら購入したいという人も多いので、来店確率は高くなるようです。
不動産売買は1件あたりの利益が非常に大きいので、DMがよく利用される業界です。
昨今は一戸建ての家を購入する世帯が減ってきましたが、それに比例してマンションの住替えのニーズは増えています。
不動産は購入タイミングが重要な商品なので「今月だけのキャンペーン」や「残り3部屋」など急がせる内容のDMが人気です。
生鮮食品を取り扱うスーパーは、何よりも近さが顧客にとって重要です。
半径2km以内に住む家庭をターゲットにDMを発送しましょう。
一戸建て・マンション・ワンルームのアパート、住んでいる家によっておおよその家族構成も予想できるので、家族構成に合わせたチラシを発送するのがさらに効果を上げるコツです。
封筒は使わずにチラシの形態で送るか、もしくは小さな封筒に店頭で利用できるクーポンを同封するのがおすすめです。
通販サイトやポータルサイト、様々なインターネットビジネスにもDMは有効です。
例えば通販サイトでしたら、最終購入から一定期間以上が経過した、メールマガジンなどのマーケティングにも無反応な層に対して再度リーチを試みることができます。
その際、クーポンやQRコードを添えることでオファーが強くなります。
このように眠っているユーザーを起こしてアクティブユーザーを取り戻す施策のほかにも、オンラインで集めた顧客データをオフラインマーケティングで活用する術はたくさんあります。
DMはデザインや中身の文言を自由に工夫できるため、業界によって効果が高いものとそうでないもので効果がはっきり分かれます。
予算が多ければいろいろな方法を同時に試せますが、ほとんどの企業はそう簡単に予算をPDCAに回すことはできないはず。
自社の業界はどんなDMが効果的なのか、ターゲットやデザインの特徴をまずはプロに聞いてみることをおすすめします。