2017年11月10日

ダイレクトメール(DM)とは?失敗しないDMのはじめ方

ダイレクトメール(DM)は、郵送を利用した集客の方法の一つ。インターネットが普及した昨今でも、リピーター増加などに有益な方法として多くの企業・店舗が利用しています。
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1.そもそもダイレクトメールとは?

ダイレクトメール(DM)は個人または法人宛にハガキやカタログを送付することで、利益向上を目指すダイレクトマーケティングの手法です。
通信販売の利用やクレジットカードの契約後に、商品カタログが送られてきた経験がある人は多いのではないでしょうか。これはまさにDMの代表的な例です。
新規顧客の増加をめざす折込チラシと違い、リピーター増加や顧客一人当たりの消費額を増やす目的としてDMは利用されます。

顧客の情報収集が必須

DMの送付には顧客の名前と住所が必要不可欠です。店舗であればポイントカード・メンバーズカードへの登録、またwebサイトの会員登録や無料で申し込めるキャンペーンなどを利用して、普段から顧客の情報を取得していかなければなりません。
そのため不特定多数に送付される折込チラシ等より手間がかかります。そのぶん、顧客が実際に行動を起こす確率は高いといわれています。

2.オンライン広告全盛時代におけるDMの現状

電子書籍の流通などにより、「紙よりもネットの時代だ」そんなふうに言う人が増えました。
しかしDMは昨今も人気のマーケティング手法の1つです。メールマガジンも一般的になってきた今、どうしてポストインのDMの人気が絶えないのでしょうか。

企画の自由度が高い!サンプル送付も可能

DMの大きな魅力はデザインや送付物の自由度。大きな冊子やカラフルな封筒を使って受け取った顧客の目を引き、メルマガよりも高い開封率を狙うことができます。
さらに、DMで送ることができるのはメッセージだけではありません。顧客に合ったサンプルを同封し、実際に商品の魅力を顧客に体感してもらえます。

3.ダイレクトメール(DM)の効果

実際にどのくらいの効果を見込めるのか、2016年の調査結果をもとに解説します。この調査は関東エリアに住む20~59歳の男女のもとに届いた、3,917通のDMを対象に行われたものです。
送付されたDMのうち、開封・閲読がされたのは81.5%(3,191通)。さらにDMをきっかけに実際に行動したのは19.5%(764通)。両結果とも非常に高い数字です。
この調査は自分の名前以外に宛てられたDMも対象となっており、自分の名前宛てのDMではさらに高い開封・閲読率が見込めます。

行動の内訳

DMを開封した方の具体的な行動内訳については、以下のような調査結果となっていました。

・ネットで調べた:6.7%
・家族・友人等との話題にした:4.1%
・店に出かけた:3.5%
・購入・利用した:2.6%
・資料請求した:1.7%
・問合せた:1.3%
・ネット上の掲示板等に書き込んだ:1.0%
・会員登録した:0.9%
・その他:0.7%

最も多いのはインターネットでの検索。検索してさらに購買意欲を上げられれば、店鋪に出かけたりそのまま通販で購入したりと次のステップに進んでもらえるようです。

若い顧客にも効果抜群

DMの効果は高年齢者中心だろうと思ってはいませんか?実はこの調査での年齢別行動喚起率は、20代男性が24.4%、30代男性が32.2%、20代女性が33.1%。若い世代にも高い影響力があることがわかりました。
若い世代は、日に日に貯まっていくメルマガよりも、自分の名前宛でポストに投函されるDMのほうがしっかり読んでくれるようです。明確な差別化がしづらいメルマガに比べ、DMは顧客に合わせた工夫がしやすいからではないでしょうか。

調査結果出典:「DMメディア実態調査2016」報告(要約版)

4.ダイレクトメール(DM)の活用法

DMの活用法は大きく分けると以下の2つにわけることができます。

・見込み客を新規顧客へと開拓
・既存顧客をリピーターへ変える

見込み客を新規顧客として獲得した例

イベント出店時にはサンプルを配布しています。しかしサンプル配布後、そのお客様が実際に新規顧客に繋がっている様子はなく、また繋がっているかどうかすら計測できていない現状がありました。
マーケティングにDMを取り入れてからは、サンプル配布時には簡単なアンケートに記入してもらい、顧客の情報を集めるようにしました。配布後1週間程度経過してからクーポンをつけたDMを送付すると、想像以上の反響がありました!(食品メーカー担当者様より)

既存顧客をリピーターに変えた例

結婚指輪をご購入いただいたお客様には、1年後に「結婚記念日おめでとうございます」のメッセージと一緒に、奥様への贈り物にぴったりのカタログを送付しています。記念日を忘れてしまうことがないのでありがたいと、毎年購入いただけるお客様もいらっしゃいます。(ジュエリー店担当者様より)

売上の上がるダイレクトメール(DM)を送るコツ

DMを利用して業績を上げるためには、以下の3つのポイントを抑えることが重要です。

1.顧客リストを最大限に活用する
2.行動させる特典をつける
3.最高のタイミングで送付する

顧客リストの活用

DMを送付する際に最も重要なのが、顧客リストの準備。細かくリストを用意すればするほど、顧客のニーズに合った内容を送ることができ、顧客のアクションに繋がります。
年齢・性別はもちろんのこと、趣味や仕事形態、生活スタイルなどをアンケート等で取得しておくとDM送付時に便利です。
たとえば化粧品のサンプルをDMで送る場合は、事前にアンケートで肌の悩みや化粧品にかける毎月のコストを把握することにより、顧客が興味を持ちやすいサンプルを的確に送付することができます。
しかし、このように顧客に合わせたDMを送るためには、それなりのコストと手間がかかります。適切なコストで対応できる範囲のリストを作成するのが利益を上げるコツです。

特典の充実

手軽に送付できる特典が、クーポン券です。工夫次第でどんな企業でも作成することができるため、多くの企業が利用しています。
おすすめなのは、期限付きのクーポン。期限を設けることにより、顧客の行動を急がせることができます。
ただし、DMは送付してからどのくらいで開封されるかが特定できないのがデメリット。期限は短すぎず、季節を問わない内容にすると高い効果が期待できるでしょう。

送付の効果的なタイミング

たとえば美容院が、初めて訪れたお客様に対して、カット料金が割引になるクーポンをつけて2回目の来店を促すDMを送るとしましょう。
この場合、来店から2週間後に送付をしてもまだ髪は伸びておらず、顧客は美容院へのニーズが高まっていません。しかしこれが1ヶ月後であれば「そろそろ美容院に行かなきゃ」という意識になっているので、顧客がリピーターになってくれる確率も上がります。
クレジットカード会社のように、学生だった顧客が社会人になるタイミングで、社会人向けの商材をDMで販促する企業も多いです。このような場合は顧客リストを数年以上かけて追いかけていかなければなりません。しかし扱う商材のターゲット層から顧客が漏れてしまっても、また別の商材での販促ができるようになります。
このように、送付タイミングは最も工夫しがいのあるポイントだといえます。

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